過払い金請求。戻って来る金額に差があるのはなぜ?

依頼する事務所によって返ってくる金額に差があるのはなぜ?

どうして?

過払請求をする際、依頼する事務所によって戻ってくる金額に差が出て来る理由はどうしてなのでしょうか?

 

金融会社やクレジット会社に利息の納め過ぎとして請求できる金額は、どこの事務所で計算しても同じです。
ですから、戻って来る金額に差が出るのは、事務所によって報酬金額が異なっているからです。

 

ならば少しでも報酬金額が少なくて済むところに依頼したいと考えるのが普通です。しかし、弁護士や司法書士の報酬費用は複雑なので、実際どの弁護士や司法書士に依頼したらいいのか、わからないという現状があります。

 

一般的に弁護士などに依頼した場合の報酬は、「手付金」・「基本報酬」・「減額報酬」・「過払い報酬」とに分かれます。このうち、「着手金」とは、依頼した時点で事務所に支払うお金で、請求する会社ごとに支払うのが一般です。
ただし注意しなければならないのは、これらの「着手金」は、1回の依頼に対する金額ではなく、請求する会社1社についての金額だと言うことです。

 

たとえば「着手金2万円」と書いてあったら、一見2万円だけ支払えば済むと思ってしまいがちですが、2万円で済むのは、請求する会社が1社であった場合のみです。
3社に借金があれば、2万円×3社で、6万円が必要になります。

 

「着手金」の額は、大体2〜4万円という事務所が多いようです。

 

「基本報酬」は,債権者と和解にいたった場合に発生する報酬です。和解にいたった段階で、着手金とは別に、この「基本報酬」が発生することになります。
「着手金はゼロ」という場合を除いて、この「基本報酬」については、ほとんどの事務所が「着手金」とほぼ同じ金額で設定しています。
着手金については着手金ゼロと書いてあっても払う必要があるケースのページに詳しく説明しています。

 

たとえば、「着手金2万円」「基本報酬2万円」が報酬規定になっている法律事務所に依頼した場合に、3つの金融業者から借入していたなら、着手金と基本報酬とで1社につき4万円、3社で12万円のお金を法律事務所に支払うことになります。

 

「減額報酬」は、「任意整理」おける減額請求により、借金を減らせた場合、減らせた分のお金の中から、規定の報酬比率によって支払う報酬です。
「過払い報酬」は、過払い請求により戻って来たお金の中から、規定の報酬比率によって支払う報酬です。

 

依頼内容によって報酬が変わってくる仕組みを理解する

理解

減額請求は、既に支払った利息について、元本に組み入れて計算をし直すことによって、借金を減らすことによって行われます。
正当な利率に直して計算し、正当な利率以外に支払った部分を、元金に組み込んで計算することによって、正当な残額を出すことになります。
多くの場合、かなり借金を減らすことができます。この減らせた金額に対して、定められた比率による報酬を、事務所に支払うことになります。

 

「任意整理」により借金の減額を行った場合には、これから先の将来利息についてはゼロになるのが普通です。
ですのでこの場合、将来利息が減らせた分の金額も含めて、規定の報酬比率によって支払うことになります。

 

過払い請求は、借金がゼロになった段階で、収め過ぎの金額を取り戻そうとする請求です。この請求で取り戻せた金額に対して、定められた比率による報酬を、事務所に支払うことになります。
過払い金については5%の利息も請求することができます。ですので、過払い金額に5%の利息を合わせた金額を規定の報酬比率で掛け合わせた額を、「過払い報酬」として支払うことになります。
この過払い請求については、最近は「着手金」を取らない事務所も増えています。

 

「減額報酬」については実際に借金を減らせた分の中から、「過払い報酬」については実際に戻って来た分の中からの支払いということで、どちらも依頼した者に利益をもたらした結果についての金額であることには変わりはありません。
しかし、「減額報酬」と「過払い報酬」とでは、たとえば「減額報酬については6.3%、過払い報酬については12.6%」というように、ほとんどすべての事務所で、報酬比率に開きを設けています。

 

事務所の中には、減額請求に関しては、「減額報酬」は取らないという事務所も多くあります。
一方、「過払い報酬」については、取り戻した過払金額の1〜2割としている法律事務所が一般的なようです。
たとえば、過払い金を100万円取り戻した場合、10〜20万円は費用として支払うということになります。

 

このように、計算上では、減らせる借金の額や、戻って来る金額は同じであっても、事務所の報酬規定による違いから、減額請求については、事務所に支払うお金が違って来たり、過払い請求については、戻って来るお金が違って来たりすることになります。
ですので、各事務所の報酬規定を比較してみるだけの価値はあると言えます。

 

過払い金には、さらに利息もついて戻ってくる?

嬉しい

過払い請求の際は、利息の収め過ぎにより、戻って来るお金を請求することになりますが、その際に、収めた過ぎていたお金だけではなく、収め過ぎにより支払ったお金についての利息も、現在請求できることになっています。

 

その根拠としては、民法704条に 「悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。」とあることにあります。

 

すなわち、収め過ぎの利息を請求してきた金融業者は、民法704 条による「悪意の受益者」であり、不当利益を得て来たものだから、返還を求められるとしたことにあります。

 

ここで言う「悪意」というのは、悪人や、悪質な業者とかを指すものではありません。
「法律上不当利得であることを認識していたにもかかわらず、消費者に法定利息を超えた利息を要求してきたこと」を言います。

 

さらに民法704条の規定により、収め過ぎによる損害として利息を請求することもできることになります。
そして、その利率としては、判例により、民法404条の法定利率の規定に従い、5%とすることで落ち着いて来ました。

 

みなし弁済って何

過去、金融業者は、「一定の要件に当てはまる場合には、利息制限法の制限を超える利息を受け取っても有効であるとする」とする貸金業規制法の43条で、対抗して来ました。
高い利息を承知の上で契約したのは事実なのだから、たとえ利息制限法違反利息のものであっても、債務者が利息として任意に支払つた金銭を、サラ金業者が受領したのは、有効な債務の弁済と信じていたからであるから、利息は有効だと主張するものです。

 

この貸金業規制法の43条は、「みなし弁済」と言われるものです。
「みなし弁済」は、H19年のグレーゾーン金利を肯定する規定でした。金融業者は、自分たちの行為は、この「みなし弁済」の規定に該たる行為だと主張して来ました。
すなわち、貸金業者はきちんと契約書面または受領書交付をしているのだから、これに対し債務者はグレーゾーンの利息を「任意に」支払ったのは、貸金業規制法43条にある「みなし弁済」になり、利息の支払いは有効だとするものでした。
これについて、最高裁平成19年2月13日判決では、貸金業者の方で、「みなし弁済」の証明をしなければ「悪意の受益者」であることが推定され、貸金業者が悪意の受益者はないことを証明しない限りは、「悪意の受益者」として、民法704条による5%の利息が過払い金に付加されるとしました。

 

これにより、貸金業者が「利息制限法の制限を超える利息を受け取っても有効(みなし弁済)」と主張するには、「一定の要件に当てはまる場合」であることを、金融業者自らが証明しなければならなくなりました。
裁判所は、この「一定の要件に当てはまる場合」を厳格に審査しています。弁護士に依頼して過払い請求を行った場合は、貸金業者が「みなし弁済」を立証するには難しくなり、現在では、これを主張する貸金業者も少なくなりました。

 

ちなみに過払い金についての利息は、最高裁平成21年9月4日判決により、過払い金の発生時から発生することになります。